No.33新着 上方落語と江戸落語の違い 見台・小拍子・ハメモノは、辻噺の名残
上方落語には見台・小拍子・膝隠しの道具とはめものがあり、江戸には前座・二つ目・真打の身分がある。違いの背景として、辻噺と座敷噺という起こりの違いが語られる。
本文と出典
あらまし
上方落語と江戸落語は、同じ「落語」でも演出も制度も違う。ウィキペディアの「落語」の項によれば、上方だけで使われる道具に、見台、小拍子、膝隠しがある。見台は演者の前に置く小型の机、小拍子は小さな拍子木で、見台を打って場面転換などに使う。膝隠しは低い衝立である。扇子と手ぬぐいを合わせて、上方では表現に使う道具が五種類とされる。
主なできごと
・元禄期 露の五郎兵衛が京都で辻噺を演じたとされる
・同時期 大坂で米沢彦八が活動し、「寿限無」の元になる話を作ったとされる(ウィキペディアの記述)
・同時期 江戸で鹿野武左衛門が座敷噺を演じる
・1786年(天明6) 烏亭焉馬が江戸で新作落とし噺の会を主催。江戸落語中興の祖とされる
・1794年ごろ(寛政6) 初代桂文治が大坂の坐摩神社境内に常設の寄席を設けたとされる。上方落語中興の祖とされる
・1798年(寛政10) 初代三笑亭可楽が下谷で寄席を開く
ハメモノと道具
はめものは、噺の途中に入れる一種の効果音で、上方に独特の演出である。上方では三味線や太鼓などを噺に取り入れる習慣が多いため、音曲で噺を進める音曲噺という分類は江戸落語に限られる、とウィキペディアは述べる。
起こりの違い
上方は、京・大坂の大道芸として発展した辻噺が起源とされる。通行人の足を止めるには目立つ必要があり、見台や小拍子の演出が残った。上方言葉で語りかけ、客へのサービスを重んじた。江戸は、屋内で少人数を相手にした座敷噺が起源で、遠慮せず簡潔に語ることが粋とされた。
制度と言葉の違い
東京には前座・二つ目・真打の身分があるが、上方にはない。上方の寄席では、お茶子が高座返しなどを受け持つ。演目も異なり、同名の噺でも舞台の地名を変えたり、サゲが同じでも途中の演出を変えたりすることがある。
人物から見た東西
ウィキペディアの記述では、上方の起こりは元禄期の京都の露の五郎兵衛の辻噺と、大坂の米沢彦八にたどられる。江戸の側は、座敷噺の鹿野武左衛門、天明6年(1786年)に新作落とし噺の会を主催した烏亭焉馬、寛政10年(1798年)に下谷で寄席を開いた初代三笑亭可楽が節目に挙がる。上方では寛政6年ごろに初代桂文治が大坂の坐摩神社の境内に常設の寄席を設けたとされる。いずれの人物も、東西それぞれの「中興の祖」や「元祖」として語られる存在だが、年代や事績は「とされる」の域を出ない点が多い。
現在の上方の制度
上方には真打制度がなく、年季奉公の修業を経て年季明けに独り立ちする。真打の代わりに、各種コンクールの受賞が一人前の目安になり、受賞記念に天満天神繁昌亭などで一週間の主任を務める。2024年には、その代わりとして「翔ぶトリウィーク」が始まったとウィキペディアの「落語家」の項は述べる。修業中に師匠が亡くなっても、原則として別の師匠に移らない点も、東京とは違う。
同じ噺の東西
同名の演目でも、舞台の地名を変えたり、サゲが同じでも途中の演出を変えたりすることがある、とウィキペディアは書く。東京で聴く噺と大阪で聴く噺が「同じ噺」かどうかは、一語の違いでなく、道具・間の取り方・言葉を含めた全体で決まる。見台と小拍子で音を出す上方の高座と、扇子と手ぬぐいだけで演じる江戸の高座では、同じ筋でも客の受け取る印象はかなり違うと考えられる。
落語家の身分の違い
東京には見習い・前座・二つ目・真打の段階があり、真打は寄席でトリを務め、弟子を取れる。上方では戦前にあった真打制度が戦中・戦後の混乱で事実上消え、二つ目に当たる身分は「中座」と呼ばれていたという。こうした制度の違いは、道具や演出の違いよりも、噺家の暮らしと修業の形に直接かかわる。
なぜ受けたのか
どちらも、客の前に出る場所の条件が演出を決めたと考えられる。路上で足を止めさせる芸と、座敷で膝を突き合わせて聞かせる芸では、声の張り方も道具も変わる。
評価の分かれる点
辻噺と座敷噺という二つの起源の対比は分かりやすいが、ウィキペディア自身が出典不十分の注意書きを付けている説明である。東西の違いを「派手」「粋」と言い切ることには異論もありうる。同名の演目が東西にあるとき、どちらが先かも噺ごとに諸説ある。
くらさんの考察
道具や制度の違いは確かだが、気質の違いは語りやすい分、確かめにくい。新宿末廣亭に上方落語協会の枠が設けられることがあるように、東西が交わる場もあり、違いは固定的ではないと考えられる。
ジージへの問いかけ
・大阪にお住まいのジージは、上方の落語と東京の落語を聞き比べて、どこが一番違うと感じますか。
・小拍子の音や、はめものの三味線が入る高座を見たことはありますか。
・同じ噺を東西で聴き比べて、おもしろさが違った経験はありますか。
確かめられなかった点:個別の演目が東西どちらで先に生まれたか、東西の客層や言葉の違いの具体例は、確かな出典で確認できず書いていない。
出典
・ウィキペディア「落語」 https://ja.wikipedia.org/wiki/落語
・ウィキペディア「落語家」 https://ja.wikipedia.org/wiki/落語家
この記事を読んで浮かんだ疑問は、運営者ジージが落語QAでくらさんに質問し、答えをそこに載せていきます。